「強いステロイドは怖い…」そんな声、よく耳にします。
でも実は、ステロイド外用薬は“強さ”だけでなく“使う部位”や“症状”に合わせて選ぶことが大切なんです。
今回は、薬剤師の視点から、ステロイドの強さと使い分けについてわかりやすく解説します。
ステロイドの「強さ」は5段階
日本では、ステロイド外用薬は以下のように5段階に分類されています:
ランク | 日本語表記 | 英語表記 | 主な薬剤例 |
---|---|---|---|
Ⅰ群 | 最も強い | Strongest | デルモベート(クロベタゾール)など |
Ⅱ群 | 非常に強い | Very Strong | フルメタ、アンテベート、リンデロンDPなど |
Ⅲ群 | 強い | Strong | リンデロンV、フルコート、リドメックスなど |
Ⅳ群 | 中等度 | Medium | ロコイド、アルメタ、キンダベートなど |
Ⅴ群 | 弱い | Weak | プレドニゾロン、コルテス、テラ・コートリルなど |
💡 ポイント:「強い=危険」ではなく、「適切に使えば効果的」
ただし、現場では「最強・非常に強い」をまとめて「強力」としたり、「中等度・弱い」を「弱め」として説明することもあります。
この記事では、正式な5分類をベースにご紹介します。
部位によって吸収率が違う
ステロイドの吸収率は、塗る部位によって大きく変わります。
部位 | 吸収率 | 使用時の注意 |
---|---|---|
顔・陰部 | 高い | 弱めのステロイドを選ぶ |
背中・腕・脚 | 中程度 | 症状に応じて調整 |
手のひら・足裏 | 低い | 強めでもOKな場合あり |
👀 注意:「顔に強いステロイド」は避けるのが基本です。
症状によって使い分ける
ステロイドは、症状の強さや性質によっても選び方が変わります。
- 軽い湿疹 → Ⅳ群〜Ⅴ群(中等度〜弱い)
- 強い炎症・かゆみ → Ⅱ群〜Ⅲ群(非常に強い〜強い)
- 慢性で厚みのある皮疹 → Ⅰ群(最も強い)※医師の管理下で使用
📝 ポイント:「症状が強い=強い薬」ではなく、「部位と期間も考慮」
使用期間と塗り方のコツ
ステロイドは、使い方にもコツがあります。
- 長期連用は避ける(副作用リスク)
- “適量”を守る(FTU:フィンガーチップユニットなど)
- 症状が改善したら徐々に減らす
📌 塗りすぎ・長すぎが副作用の原因になることも。
まとめ:怖がらず、正しく使うことが大切
ステロイド外用薬は、正しく使えばとても頼れるお薬です。
“怖い”というイメージだけで避けるのではなく、症状や部位に合わせて使い分けることが大切。
不安なときは、薬剤師や医師に相談してくださいね。
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